この中学へはこう挑め!~広島大学附属中学編~

掲載日:2016.09.30  
カテゴリ:コラム  
校舎:小學舎

気がつけば、もう10月。
今年ももう4分の3が終わります。
年を重ねるごとに、1年の過ぎ去る速さに驚かされることも多くなりました。

ところが、またぞろ台風の接近です。
「今年は台風の上陸がまだありません」などと言っていたのは何か月前のことだったでしょうか。
最近では、台風の接近のたびに必ず上陸、大きな被害が出ています。
台風そのものの被害がそれほどでなくとも、長雨続きで地盤が緩んでいます。
土砂災害には十分にご注意ください。

ご挨拶が長くなりました。
文系科目担当 渡守武です。

先日、授業で解き直しの大切さについて、お子様方にお話をしました。
「解き直しというのはね、『問二の答えはイだったよな。フムフム。』なんてことをすることじゃないんだよ。
先生がある日急に『〇〇くん、問二の説明をして。』とあてたとしても、あわてることなく前に出てきて『問二は~というタイプの問題なので、傍線部の~に注目し、その内容に合う選択肢を選びます。よって、答えはイです。』というふうに解説できるようにしてくることをいうんだよ。」
お子様たちは小声でヒソヒソ。「そんなのできるわけないじゃん…。」
そこで、「そうよね。難しいから間違えてるんだもんね。解説しろなんて言われてもなかなかできないよね。じゃあ、どうすればいいと思う?」
お子様たちはまた小声でヒソヒソ。「…質問する…。」
「そうよね(声を大にして)。わからないことはどんどん聞けばいいんだよ。何回でも聞けばいいんだよ。わかったふりしてごまかして終わるんじゃなくて、わかるまで徹底的に質問しまくればいいんだよ!」

一斉授業というのは、どうしても最大公約数になってしまいます。
メリットも数多くありますが、この点はやはりデメリットなのかもしれません。
お子様方が躓くポイントは、本当に千差万別です。
解説の一文、計算一つ、用語一つでわからなくなっている場合もあります。
だからこそ、自分のわからないところはどこなのかをはっきりさせる必要があるのです。
ただ、お子様によっては質問すること自体がはずかしい・こわいと感じている場合もあります。
もちろん、講師も質問はないかどうか確認をしながら授業を行ってまいります。
ご家庭でもどうかお声掛けくださるようお願いいたします。
一回質問すればはずかしくなくなります。こわくなくなります。
その最初の一歩を、勇気を出して踏み出せるよう、導いてあげましょう。
宜しくお願いいたします。

広島大学附属中学の問題にはこう挑め!

今回は広島大学附属中学編です。
言わずと知れた、広島市内唯一の国立・男女共学・中高一貫校です。
男女ともに志願者が多く、この少子化のご時世に男子5倍、女子7倍というとてつもない受検倍率になっています。
(ちなみに、附属中学は「入学試験」ではなく「入学検査」なので、「受験」ではなく「受検」です。)
自由・自主・自立の校風の下、学業のみならず、多くの学校行事に生徒が積極的に参画する様子は、全人教育の名にはじない素晴らしいものです。
スーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、科学技術の重点教育を行っている一方、マスゲームなどで大いに盛り上がる体育祭など魅力あふれる学校です。
長井ゼミにも、高校部世界史の平岩眸先生、小學舎広島校文系科目担当の河部一成先生など出身者がおります。
かく申す渡守武も実は卒業生。当時のことを思い出すと冷汗が止まりません。
当時、渡守武の担任をしてくださった砂原徹先生が、現在は副校長として在職しておられます。
(先日はお手数をおかけいたしました。大変ありがとうございました。また、宜しくお願いいたします。)

では、附属中学を受検する際には、どのようなことに注意すればよいかお話いたしましょう。


国語

・文章読解問題は、他の中学と比べても決して長くはなく、昨年度は説明文(2500字程度・設問数13問)、物語文(3300字程度・設問数10問)となっています。説明文は話題自体が小学生にとってはハードルが高いものなので、普段からより高学年の文章を読む練習が必要です。
・大問3として変わったタイプの記述問題(図形を他の人に口頭で伝える時にどのように伝えるか。原告と被告の供述を聞いて判決を下す。放送での聞き取り問題など。)が出されることがありましたが、ここ数年は出題がありません。ただ、出題された場合は何度も高く、時間もかかるものが多いので、説明文・物語文の方に重点を置いて解答するほうがよいでしょう。
・ほぼ毎年、100字近い記述問題が出題されます。地の文や会話文にはっきりと述べられない登場人物の心情を,表情や行動,慣用的な表現から読み取らなければならず,難度は高いものになっています。普段から説明文の要約・物語文のあらすじを書く練習をしておくとよいでしょう。

算数

・学校で習わない「特殊算」(つるかめ算など)の出題はありません。学校でも履修する単元の中から「思考力」を問う問題が出題されます。ただし、塾で習う解法が応用できる問題も多いので演習を積み重ねが必要です。
・説明問題が出題されることがありますが、難易度は高くないので他の科目の記述問題で苦労していない生徒ならば対応可能でしょう。
・「規則性」「場合の数」「平面図形・立体図形」「速さ」「水量変化」が頻出単元です。速さや水量変化については、グラフを伴った問題も多いので、慣れておく必要があります


社会

・理科・社会50分という試験時間に対し、社会の小問が40問前後というボリュームのため、手際よく解答していくスピードが必要です。
・どの単元からと問わず広範囲から出題されるため、正確な知識が問われます。
・小学校の教科書内容からの出題も見られます。教科書対策としては、脚注まで目を通していないと十分とは言えません。
・出題数が多い歴史に関しては、年号を正確に暗記しておくと、瞬時に答えが導けるものもあるので、年号の暗記に、意欲的に取り組みましょう。

理科

・全体的に実験器具に関する出題が目立つため、学校の実験で使用した実験器具などはその使用方法をしっかりと覚えておきましょう。
・『この実験からわかることを答えなさい。』のような出題形式が多く、知り得た知識ではなく実験データからのみ考察して答えなければならないことに注意しましょう。



以上のポイントにお気をつけいただきたいですが、やはり広島市内で最も合格しづらい学校であることは確かです。
自分の弱点をきちんと把握し、克服に努めていくようにしましょう。


長きに渡ってお送りしてきました「〇〇中学へはこう挑め!」シリーズも、今回で一旦終了とさせていただきます。
授業内では、お子様方にもっとくわしく各中学の様子についてお話しておりますし、今回掲載しきれなかった他の中学についても演習・解説は十分に実施してまいります。
塾で得た知識を使い、自分の目標とする中学へ向けて全力で羽ばたいていってほしいと思っております。

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