大学の数学

掲載日:2021.07.23  
カテゴリ:コラム  
校舎:ハンス

こんにちは、長井ゼミハンス緑井校、大町校、新白島校で数学を担当している濵﨑です!


僕は

広島大学の

教育学部数理系コース出身なので

専門は当然数学なのですが、

理学部の数学科と違うのは

教育系の授業が、

全体の約半分あるということです。


教育とは

そもそもどういうものなのか、

児童生徒の発達段階に応じて

どのように指導方法を変えていくべきか、

などなど

深い話が多い一方で、

「この指導方法が最適だ。」

というものが無い以上、

話をどんどん掘り下げていっても

正解が無いので、

僕にはとても難しく感じました。


それもあってか、

大学3年生から始まる

「ゼミ」と呼ばれる、

複数の数学の大学教授の中から

1人選んで、

毎週その教授の前で発表をしたり、

最終的には

卒業論文の添削指導をしてもらう授業では、

教育系ではなく

専門系(大学数学をやる方)を選択しました。


大学の数学はいったいどんなことをするんだろう?

と気になる人もいると思うので、

ここではその一部をお話ししようと思います。


ここからは数学アレルギーの方は

見ないことをお勧めします(笑)


たとえば、

自然数の集合の要素の個数は何個でしょうか?

{1,2,3,…}となるので無限個あります。

整数の集合の要素の個数は何個でしょうか?

{…,-2,-1,0,1,2,…}となるので

こちらも無限個あります。

では、

自然数の集合と整数の集合では、

どちらの方が要素の個数が多いでしょうか?

どちらも無限個なので比較することはできませんが、

感覚的には整数の方が多い気がします。


大学以降の数学では、

その“感覚的に”というのを許さないので、

厳密に定義することにします。


任意の集合Aの要素aと

任意の集合Bの要素bの間に

一対一対応(全単射と言ったりもする)があるとき、

集合Aと集合Bの要素の個数が等しいとします。

さっきの例でいうと、

整数の要素全部に

1から順に番号を付けることができれば、

要素の個数が等しいことになります。



例えば、

整数の0に自然数の1を、

整数の-1に自然数の2を、

整数の1に自然数の3を、

整数の-2に自然数の4を、

…というように

0以上の整数に自然数の奇数番目を、

負の整数に自然数の偶数番目を割り振れば、

番号付けできたことになり、

自然数と整数の個数は

同じ無限個であることが分かりました。

整数の方が自然数の2倍ぐらいありそうなのに

不思議ですよね。


同じように分数も含めた集合(有理数)も

自然数と同じであることが分かります。
(番号付けが少しテクニカルですが)

では、

無理数(分数で表せない数)を含めた集合の実数では

どうなるかというと、

番号付けができないので、

自然数よりも多い無限個ということになります。

整数や有理数のように、

自然数と同じぐらいの無限を

可算無限(数えることができる無限)と呼び、

実数のように、

自然数よりもはるかに多い無限を

不可算無限と呼びます。


無限にもいくつか種類があるということですね。


こういった、

無限に関する不思議な話は

他にもいくつかあるので、

気になる人は調べてみてください!


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