足跡

掲載日:2020.06.30  
カテゴリ:コラム  
校舎:ハンス

ハンスで理系科目を担当している松本(直)と申します。


2度目の投稿で

早くもネタに詰まってしまいました。


そこで前回

『ジェネレーションギャップ』と題した

「メガドラミニ」の話に引き続き、

今回は先日発売されました

「PCエンジンミニ」の話をしたいと思います。


PCエンジンとは

今から三十年以上前に、

当時日本のパソコン業界で

国民機とまで言われた

PC98シリーズを作った

NECと、

家庭用パソコン黎明期の

パソコン用ゲームソフトや、

多人数プレイすごろくゲームの金字塔、

桃太郎電鉄シリーズをはじめとする

様々なコンシューマーゲーム機ソフトを作った

ハドソン

とが組んで世に送り出したゲーム機で、

ファミコンに慣れ親しんでいた子供たちは

PCエンジンのグラフィックとサウンドに驚愕したものです。

(ちなみに前述のメガドラの発売はPCエンジンの翌年でした。)


このPCエンジン、

メーカーが前述の通り

パソコン屋という事もあり、

マイナーチェンジ版の本体や

増設機器等が多数販売され、

他のゲーム機とは比べ物にならないくらいの

ハードウェアラインナップを誇りました。


その中で特筆すべきなのが、

日本で、

いえ、

世界で初めてゲーム機に

CD-ROMドライブを搭載可能とした事でしょう。


今では

CD等の光学ドライブ搭載の電子機器は

珍しいものではありませんが、

当時CD-DOMドライブを搭載した民生機としては

富士通のFM-TOWNSというパソコンくらいしかなく、

それがゲーム機に付くという事に

ユーザーは胸をときめかせ、

大容量と生音を生かした

新境地のゲームに陶酔しました。


もっとも、

こういう新技術を盛り込んだハードと言うのは

得てして高価になりがちで、

PCエンジン自体が2万5千円だったのに対して

このCD-ROMドライブは約6万円もし、

本体と合わせると

9万円近くという超高額商品になってしまい、

後に一体型や廉価版が出るまでは

一部のユーザーを除いては高嶺の花で、

ゲームショップの店頭デモや

ゲーム紹介記事・番組を見ては

溜息をついていました。


それが今、

昨今のファミコンミニ等のミニ版ゲーム機ブームに乗って

「PCエンジンミニ」の発売となった訳で、

ハードウエアとしては

CD-ROMドライブ自体は搭載してはいないものの、

エミュレーションにより内蔵された

CD-ROM系ソフトもプレイ可能となっており、

ファンにはタマラナイ仕様となっています。


かつて暗号解読やアポロ計画といった

軍事利用に始まったコンピューターが、

大学や企業等での研究用途を経て、

今では一般家庭の家電やゲーム機にも使われるようになるなど、

当時誰が想像したでしょうか。


ここに、

高度かつ複雑な先端技術で高価であったものが、

現在では技術が“こなれて”

より簡素化され低価格化が進み、

広く世間に浸透するという、

技術のあるべき流れを見る事ができます。


その一方、

オリジナルのPCエンジンを発売したNECは

今やゲームはおろか

自社規格で一世を風靡したPC98からは手を引き、

開発を行ったハドソンは

同業他社であるコナミに吸収されています。

あぁ盛者必衰。


いつか消え、

あるいは変わりゆくものであっても、

また後の世に時代のあだ花といわれようとも、

先へ進もうと

確たる足跡を残したその当時の揺ぎない崇高な行為は、

決して色あせるものではないと感じました。


今の皆さんの努力も、

大人になってふと振り返ってみた時に、

そんな風に思えると良いですね。


え?


そんな訳ない?


いえいえ、

SwitchやPS4が

レトロゲーと言われるような時代になれば、

皆さんもきっと(笑)



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