それを必要とする人間のものだ
掲載日:2019.08.12
カテゴリ:コラム
校舎:ハンス
詩とは書いた人間のものではなく、それを必要とする人間のものだ。
ハンス大町校、文系担当の鞘本です。
まず、
映画「イル・ポスティーノ」から、
とあるシーンを紹介します。
「隠喩ってなに?」
学のない青年が詩人と出会う。
「詩人になりたい。あなたのようにおれも女性に愛してもらえるから。」
青年は島一番の美人に
詩人の書いた言葉で愛を伝える。
美しい言葉で実る恋。
しかし、
「他人の詩を勝手に引用するのは感心しない。」
詩人は責める。
そして、
たどたどしく応じた青年の言葉が、
「詩とは書いた人間のものではなく、それを必要とする人間のものだ」
青年の心からの言葉に詩人は感服し、友情を深める。
~ 映画「イル・ポスティーノ」 ~
もちろん、
著作権の話ではありません(笑)
言葉は、だれかの琴線にふれることで、
永遠に語られる言葉に変わるということだと思います。
詩に限らず、
だれかの言葉に深く感じいった経験はありませんか?
偉人の言葉が自分を豊かにしたり、
身近な人の何気ない一言に新しい発見をしたり。
私個人のこととしては、
今は亡きO先生の声に
ときどき背中を押されます。
迷ったとき、
帽子をかぶって飄々とした声で
「いいんじゃない?」
という姿が浮かびます。
さて、
詩といえば、
日本では和歌や俳句がありますね。
有名な短歌を一首。
久方の 光のどけき春の日に 静心なく花の散るらむ
情景をひっくり返してみました。
ぬばたまの 夜ひそやかに立つ 桜盛りの花を誰ぞ知りけむ
台無しですね!!
しかし、ひっくり返したり、台無しにしたり、自由でなんでもありが文学の懐の深さです。
夏休み、読書を奨励します!
読書=読解力
ではありませんが、
読書=語彙力だと思います。
感想文の宿題を書くだけではない、
主体的で自由な読書を楽しんでもらいたい。
そう思って、
ものを作りました。
みなさん、
それぞれの希望をもって
塾に通っていると思います。
夏は、
希望を現実にするために、
地力を鍛える時期です。
読書したり、
参考書とにらめっこしたりして、
力を蓄えておきましょう!