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フェルマーの最終定理

掲載日:2013年12月18日 18:22

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こんにちは、ハンス高校数学を担当している藤本です。

みなさんは、「フェルマーの最終定理」を知っていますか?


n≧3のとき、(Xのn乗)+(Yのn乗)=(Zのn乗)を満たす自然数X,Y,Zは存在しない

という数学の定理です。

中学生でも理解できる簡単な定理なのに、これをいざ「ホントウにそうなるということを証明しろ」と言われると、どんな歴史上の数学者も太刀打ちできない悪魔的超難問になってしまいます。

この「フェルマーの最終定理」を作ったフェルマーという人は、実はプロの数学者ではありません。1600年頃のフランスの法律家でした。彼は、裁判所に勤める有能な地方役人であり、数学はただの趣味にすぎませんでした。つまりは、アマチュアの数学者だったのです。

だが、彼が、正真正銘の天才であることは、数々の逸話から知ることができます。

・確率論の創設
フェルマーは、人付き合いが嫌いでした。だが、そんな彼が特別に懇意にしていたのが、あの天才パスカルです。パスカルは「確率論の父」と呼ばれ、数学における確率論を作ったと言われてますが、じつは、それらはすべてフェルマーとの文通で作られたものでした。つまり、確率論の半分は、フェルマーの功績なのです。

・微分の発見
数学の微分・積分は、ニュートンが発明したとされていますが、実は、そのアイデアに近いものは、すでにフェルマーによって考えられていました。なにより、ニュートンが、「フェルマー氏からアイデアを得た」とはっきり書き残しています。

以上のようなエピソードを聞くだけでも、彼がアマチュアでありながら、数学の天才であったことに疑いようはありません。

だが、彼には、とても悪い癖がありました。それは、「証明を書き残さない」というものでした。彼は、数学の新しい証明を見つけても、その証明の美しさをひとしきりめでると、満足して、その証明をゴミ箱に捨てるような人間だったのです。彼は、本職の数学者ではないのだから、数学界への貢献や名誉なんてどうでもいいわけで、ただ静かに、ひとりで、美しい数学の世界を堪能できればよかったのです。

さらに、もうひとつフェルマーには悪い癖がありました。それは、自分の数学の成果を海を越えた遠くイギリスの本職の数学者たちに、手紙として送りつけることでした。

彼は、手紙で「私は、コレコレの数学の命題を証明しました」と送るのですが、そこで、フェルマーは、ただ「証明しました」と述べるだけで決してその証明の方法を書こうとしなかったのです。

つまり、フェルマーは、数学の大先生達に、新発見の数学の定理を送りつけて、「おれは、こういう定理を証明したけど、おまいらに、その証明方法がわかるかな?」という挑発をしたのです。

もちろん、そんな挑発にプロの数学者たちはカンカンに怒りました。「アマチュアが何を生意気な」とフェルマーが送ってきた定理の証明に挑戦しますが、これが、難しく、その当時の最新の数学手法を駆使しても、まったく歯が立たなかったのです。ついには、プロの数学者すら諦めて、「だ、だめだ!わからん!こんなのアマチュアが証明できたなんて、絶対 嘘だ!嘘に決まっている!」と、証明を投げ出そうとしますが、そのたびに、フェルマーは、すこしずつ、証明のヒントを教えていくのです。

「こんなものも、わからないの!?しょうがないなぁー、このヒント使ってもう一度やってみな。」とこんな感じに。

さてさて。フェルマーの死後、その息子が、フェルマーがメモとして書き留めていた内容をとりまとめて、出版したことにより、突然、フェルマーは脚光を浴びることになりました。

というのは、息子が、出版した本には、「父が、証明をしたってメモを残しているけど、その肝心の証明方法が残っていない定理の一覧」が載せられていたからです。

かくして。たくさんの数学者が、この失われてしまった証明を求め、フェルマーが残した定理の証明に挑戦することになります。だが、その挑戦は、困難を極め、あるひとつの定理を証明するだけでも、歴史に名を連ねる天才数学者が何年もかけて、やっと解いたものもありました。たとえば、フェルマーの定理のひとつ(素数の定理)は、1700年代最大の数学者であるオイラーが、なんと7年もの歳月をかけて、証明をやっと見つけたほどです。(フェルマーの死後、100年後のことである)

が、ともかく、長い時間の中で、たくさんの数学者の努力により、ひとつ、またひとつと、フェルマーが残した定理の証明方法が、見つかっていくのでした。

だが………。

そうしていくうちに、誰にも、証明を導くことができない定理がどうしてもひとつ残ってしまったのです。

その定理について、フェルマーが残したメモとは、こんな内容だった。

n≧3のとき、(Xのn乗)+(Yのn乗)=(Zのn乗)を満たす自然数X,Y,Zは存在しない

この命題について、真に驚くべき証明方法を私は発見した。だが、それを書くには、この余白は狭すぎる。

この最後の最後に残った、誰にも証明できないフェルマーの定理。フェルマーがメモに残した「真に驚くべき証明方法」とは一体何なのか、話題が話題を呼び、いつしか、それはこう呼ばれることになります。

「フェルマーの最終定理」

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