高2物理通信(2016年10月)

掲載日:2016.10.13  
カテゴリ:コラム  
校舎:高校部

ようやく涼しくなってきましたね。

10月になりました。10月初旬は最高気温が30℃以上の真夏日になった日が3日もありました。全国的にも暑い日が続きましたね。しかしそれももう終わり、一気に秋めいてきました。これから冬に向かいますが、どのように季節が移り変わっていくのでしょうか。
そこで利用したいのが、気象庁の発表している季節予報というものです。季節予報には大きく分けて4種類あって、「1か月予報」「3か月予報」「暖候期予報」「寒候期予報」があります。暖候期や寒候期の予報は、夏や冬はどうなりそうかという大まかな予報です。ちなみに広島での今年の冬は平均気温が平年並みかそれより低くなりそうだという予報が出ています。
1か月予報では10月の予報が発表されています。これによると、広島の10月の平均気温は平年よりも高くなりそうです。ちなみに10月の広島における平均気温の平年値は、18.3℃。先日10月4日の平均気温が26.4℃!しかし10月10日体育の日の平均気温が18.8℃なのでそのくらいが平年の値なのですね。まだ10月中は平年より暖かい(暑い?)日がありそうです。
3か月予報を見ると、11月や12月の予報がわかります。11月は平年並み、12月は平年より低くなりそうだという予報になっています。
やっと11月で平年並みになりそうということです。
気象庁はたくさんの予報やデータをホームページ上に掲載して、自由に見られるようになっています。気象予報士が実際に予報で活用するデータや天気図は別のところに詳しいものが存在するのですが、気象予報士になるために読めなければいけない天気図は、誰もが見られるところにあります。気象庁のデータなどは何も特別な人のためにあるものではなくて、誰もが防災や生活に役立てることのできるものなのです。
気象情報をどんどん活用してみてくださいね。

入試問題に挑戦!

9月から学習した「熱学」。実は気象現象を理解するためには必要不可欠な単元なんですよ。気象予報士試験にも出るし、気象現象を用いた物理の入試問題もあります。そこで、次の文章を読みながらア~ウを埋めて、フェーン現象を理解してみましょう。ちなみに断熱変化ですよ!

『日本では一般に北国は寒く、南国は暖かい。しかしながら、最高気温を比較すると、必ずしも単純に北から南へと温度が高くなっているわけではない。この原因のひとつは、フェーン現象とよばれるものである。これを図1の模式図を参照して物理的に議論してみよう。フェーン現象とは、湿った空気が山をこえ、乾いた暖かい空気となって吹き降ろしてくることをいう。一般に、空気が上昇すると気圧が低くなるため、空気は膨張する。すなわち、空気は外部に( ア )をするために、熱力学第一法則により、外部から熱を吸収しないかぎり、空気の( イ )は減少し、結果として温度が下がることになる。しかしながら、空気が山を下るときには全く同じ過程で温度が上がるため、どちらのふもとにおいても空気の温度は変わらず、断熱変化だけではフェーン現象を説明できない。フェーン現象では空気の湿度が重要な鍵を握る。湿った空気が上昇すると、上で述べた温度変化により空気に含まれる水蒸気の一部が水滴(すなわち雲や雨)へと変化し空気から取り除かれる。このとき、水はその( ウ )熱を空気中に放出するため、空気の温度は⊿Tだけ高くなる。結果として、ふもとにおいても⊿Tだけ高い温度の空気が吹き降ろしてくることになる。』
立命館大学入試問題・改


10月以降の高2物理は……

2学期第5週は単元テストでした。範囲は前期と9月に学習した、「波動」と「熱学」でした。手ごたえはどうでしたか。次週からはまた新しい単元に進んできますので、心機一転頑張っていきましょう。
そこで10月からはまた力学を行っていきます。力学の後半、入試に出る本格的な単元を学習します。「円運動」「単振動」「万有引力」です。長井ゼミならでは(はっせー。流)のスマートな解法を身に付けて、ワンランク上の問題を解けるようになってしまいましょう!

物理科 長谷川智子  
(気象予報士 / はっせー。)


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